止めたもの

マンションの階下の住人が入れ替ってから、時折煙草の香りが立ち上ってくるようになった。
どうやらベランダで吸うことにしているようで、サッシを開け閉めする音がすると、決まって匂うのだ。
それは煙草をすわない人間にとって強力で、部屋を閉め切っている季節でもどこからか入り込んでくる。
今でこそ、そんな状態だが自分もかつては結構なヘビースモーカーだった。
ご多聞にもれず健康上の理由から止めたのだが、意外に苦しまずに止めることができた。
ただ、やたらと周りに自分が煙草を止められるできるかどうかをしつこく聞いたので、それこそ煙たがられはしたが。
煙草はパッケージの気に入ったものをすっていた。ハイライト、マルボロ、サムタイム、ピースマイルドなどなど。
最近は商品名だけでなく、パッケージも変わってしまったものが多い。
自販機をみると何やらまったく別のものに見えてきてしまう。
あれもそのうち慣れるのだろうか。